Project Name

soil house

Timeline

2019

Location

福島県南相馬市

Application

住宅

Status

Completed

Detail

土塀 (soil mountain)で構成する住まい

東日本大震災により南相馬を離れた後、再び地元であるこの地に戻った家族のための住宅。

建主が震災前に住んでいた雑木林に囲まれた環境を再現するため、土地の特色を取り入れ、ランドスケープを重視した設計を検討した。この地域は海辺に近い軟岩土の土地であることから、塩害から生活を守るために岩壁の側面を掘って横穴をつくり、食料保管など生活空間の一部として利用していたユニークな歴史がある。この特徴から、土塀 (soil mountain)で構成する住まいを考えた。通常は基礎工事で費用をかけて処分される残士が今回の敷地では良質だったことから、破棄せず建築素材に活用。

地域の土木職人の技術を使って土塀(soil mountain)をつくり、その上に屋根を架けた。土塀は土木工事で多く利用するEPS(発泡スチロール)を山型に成型し、その上に鉄筋を組んでいる。吹付けコンクリートは、土木のインフラ整備では法面を成型するために必要な技術だ。特に相馬市の海岸地帯には対応できる施工会社が多くあり、職人同士が技術を高め合っているため、有機的で美しい仕上がりになった。

この地域では、昼は海から陸へ、夜は陸から海へと風向きが変化する海陸風が吹く。時間帯によって気持ちのよい風が流れるよう、コの字型の土塀をクランク状に配置している。そして、それぞれの土塀に寄り添うようにランダムに木を植えることで、雑木林を歩いているような景色を見せる工夫を施した。植樹された100本以上のクヌギやナラは、時を重ねながら徐々に雑木林になっていく。その緑地は建主が安心して生活できる基盤となり、地域の生物が共存する。建築のつくり方が問われる今、別々の領域とされる建築と土木の両視点からとらえることで、環境に合った「造るデザイン」を考えた。人と資源と、生物の関係性が持続的に続く住宅を目指した。